ビットコインが、再び重要な局面に入っています。
2026年前半。
ビットコインは大きく下落しました。
しかし、その後は6~7月の安値圏から急速に反発。
9月20日までの週には、
約45週間にわたって上値を抑えてきた50週移動平均線を、週足終値で上抜けました。
そして10月。一時8万7,000ドルを超えるところまで回復。
10月7日時点では、ドル高・米国債利回り上昇などを背景に約8万4,300ドルまで調整していますが、依然として9月の重要なブレイク水準より上で推移しています。
ここで気になるのが、「ビットコインは再び上昇相場に入ったのか?」
ということです。
今回の上昇は、単なる短期的なリバウンドなのか。
それとも、2025年末から続いた下落相場を終え、新しい上昇トレンドへ移行し始めたのか。
私はこの判断をするうえで、
次の4つが特に重要だと考えています。
- 50週移動平均線
- 現物Bitcoin ETFへの資金流入
- 米国金利とドル
- 8万1,000ドル前後のブレイク水準を維持できるか
先に結論を書きます。
2026年9月の50週移動平均線突破は、中長期トレンドが改善した可能性を示すかなり重要な変化です。ただし「新しい強気相場が確定した」とまでは考えず、8万1,000ドル前後をサポートへ転換できるか、ETFへの資金流入が続くかを確認したい局面です。
今回は、
価格だけではなく、
テクニカル。
ETF需給。
金利。
ドル。
まで含めて、
現在のBitcoinの立ち位置を整理してみます。

2026年のビットコインはどこまで戻ったのか
ここまでの流れを整理します。
Bitcoinは2025年秋につけた高値から大きく下落し、
2026年夏には6万ドルを割り込む水準まで調整しました。
そこから状況が変わります。
Reutersによると、Bitcoinは7月の安値圏から10月初めまでに約40%上昇しました。
それでも10月1日時点では年初来で約4%のマイナス。
短期間では非常に強い反発ですが、
2025年までの高値を完全に取り戻したわけではありません。
現在地を整理すると
ざっくり言えば、
- 2025年:最高値圏
- 2026年前半:大幅調整
- 2026年夏:底値圏形成
- 8~9月:急反発
- 9月:50週移動平均線を上抜け
- 10月:8万4,000~8万7,000ドル付近で攻防
という流れです。
ここで重要なのは、
単に40%上昇したことではありません。
長期トレンドを見るうえで重要だった価格帯を突破したこと。です。
その代表が、
50週移動平均線です。
50週移動平均線を上抜けた意味

今回の記事で、
最も重要なポイントです。
50週移動平均線とは
50週移動平均線は、
直近50週間の価格を平均したものです。
約1年分の値動きをならすため、
数日、数週間、という短期トレードより、
中長期のトレンドを見るための指標として使われます。
Bitcoinでは、
この50週移動平均線が過去の下落相場で、かなり重要な節目になってきました。
45週間ぶりに週足終値で突破
2026年9月20日までの週。
Bitcoinは、
8万1,159ドルで週を終えました。
一方、50週移動平均線は、約7万8,788ドル。
つまり、50週移動平均線を約3%上回る水準で週足を確定。
2025年11月以来、実に45週間ぶりの50週移動平均線上での週足終値となりました。
これは、
単に一瞬上抜けただけではありません。週足終値で上に出た。
ここが重要です。
過去のBitcoinでも重要だった
Galaxy Researchは、
Bitcoinの過去のベアマーケットについて、
完了した5回の下落相場のうち4回で、50週移動平均線を上抜けた後にベアマーケット安値を更新しなかった
と指摘しています。
Galaxyは2026年8月の段階から、50週移動平均線の奪還を、「下落相場終了を判断する重要なシグナル」
として注目していました。
Bitcoinにとって50週移動平均線は、単なるテクニカル指標の一つではなく、「長期下落トレンドから抜け出せるか」を判断する重要な境界線として機能してきました。
ただし「上抜け=必ず上がる」ではない
ここは注意が必要です。
移動平均線は、
あくまで過去の価格から作られた指標です。
未来を保証するものではありません。
過去にも、
50週移動平均線を突破した後、
再び下へ戻ったケースはあります。
そのため、
重要なのは、
突破したことより、突破した後に維持できるか。
です。
今回でいえば、7万8,000~8万1,000ドル付近。
このエリアが、これまでの「上値抵抗」から、今度は「下値支持」へ変わるか。
ここを確認したいと思っています。
次に重要なのは8万1,000ドルを守れるか

50週移動平均線を上抜けた後、
次に見るべきなのが、サポート転換です。
2026年10月のBitcoin outlookで、9月まで重要な抵抗帯だった、8万1,000~8万2,000ドル
を、現在の最初の重要なサポートとして挙げています。
さらに下では、
- 約7万8,000ドル:50週移動平均線
- 約7万7,000ドル:50日移動平均線
- 約7万3,500ドル:短期保有者の実現価格付近
を重要水準として挙げています。
私なら3段階で見る
現在のチャートを考えるなら、
大きく3段階に分けます。
強い状態
8万1,000ドル以上を維持。
50週移動平均線を明確に上回った状態。
この場合、9月のブレイクが機能していると考えやすい。
注意
7万8,000~8万1,000ドル。
50週移動平均線周辺を再テストする局面です。
ここで反発できるなら、
いわゆる、レジスタンス→サポート転換が確認できます。
警戒
7万8,000ドルを週足で明確に割る。
この場合、
9月の上抜けが、「ダマシ」だった可能性を考えます。
今のBitcoinで私が最も見たいのは「どこまで上がるか」ではなく、「8万1,000ドル前後まで下がったときに買いが入るか」です。
上昇相場は、
上がることで確認するだけではありません。
下がったときにどこで止まるか。
これも非常に重要です。
現物Bitcoin ETFに再び資金が入っている
テクニカルだけではありません。
今回のBitcoin上昇で、もう一つ重要なのが、
ETF資金フローです。
9月後半に大きな資金流入

米国現物Bitcoin ETFデータを見ると、9月21日から25日の5営業日では、
- 9月21日:+9.99億ドル
- 9月22日:+7.147億ドル
- 9月23日:+3.469億ドル
- 9月24日:+1.907億ドル
- 9月25日:+1.345億ドル
となっています。
合計すると、約23.9億ドルの純流入です。
わずか5営業日で、約24億ドル。
かなり大きな数字です。
Galaxyも8月の反発局面について、Bitcoin ETFへの資金流入が、
2025年10月の最高値局面以来の大きさになったと指摘していました。
10月はやや落ち着いている
ただし、ずっと流入しているわけではありません。
10月に入ると、
- 10月1日:+1.027億ドル
- 10月2日:+1.899億ドル
- 10月5日:-0.898億ドル
- 10月6日:-0.032億ドル
と、資金流入はやや鈍化しています。
これは重要です。
「ETFに資金が入ったから強気」ではなく、「上昇後もETFへの新規資金が継続するか」まで確認する必要があります。
ETF資金流入が重要な理由
ETFへの資金流入は、単純なニュースではありません。
現物Bitcoin ETFへ純流入が起きれば、
ETF側はBitcoinへのエクスポージャーを確保する必要があります。
つまり、市場に継続的な買い需要が生まれます。
さらに、ETFがあることで、従来Bitcoinを保有しづらかった、
- 資産運用会社
- アドバイザー
- 機関投資家
- 証券口座利用者
- 長期ポートフォリオ投資家
も参加しやすくなりました。
Citiも10月1日、Bitcoinの12か月予想価格を8万2,000ドルから11万3,000ドルへ引き上げ、
その理由の一つとして、ETFへの資金流入再開を挙げています。
Citiは今後12か月で、約50億ドルの追加流入を予想しています。
もちろん、価格予想そのものを鵜呑みにする必要はありません。
重要なのは、大手金融機関が、ETFフローをBitcoin価格形成の重要な要素として見ていることです。
Bitcoinを動かすのはETFだけではない|金利とドルを見る
現在のBitcoinを考えるうえで非常に重要です。
Bitcoinは、仮想通貨市場だけを見ていれば分かる資産ではなくなっています。
特に重要なのが、米国金利とドル。です。
金利上昇はBitcoinには基本的に逆風
2026年10月。
米国金利はかなり高い状態です。
米10年債利回りは5%を超える水準。
実質金利も高い。
こうなると、投資家は、リスクを取らなくても、
債券から高い利回りを得られます。
Bitcoinは、配当を生みません。利息も生みません。
そのため、高金利になるほど、相対的には不利になります。
10月7日にも、
ドルと米国債利回りの上昇を背景にBitcoinは約1.6%下落し、一時8万3,682ドルまで下げました。
現在のBitcoinにとって、「ETF買い」という追い風と、「高金利・ドル高」という逆風が同時に存在しています。
ドル安は追い風になりやすい
逆に、
- ドル安
- 流動性拡大
- 長期金利低下
こうした環境では、
Bitcoinに資金が入りやすくなります。
2026年夏以降のBitcoin反発では、ドル軟化や米財務省による長期債買い戻しの拡大も、Bitcoinへの資金回帰を支えました。
Galaxyも、この局面について、debasement trade(通貨価値希薄化へのヘッジ)が再び意識されたことを、Bitcoin上昇の一因として挙げています。
ここはGOLDと似ています。
- 財政赤字
- 国債増発
- 通貨価値への不安
こうしたテーマが強まれば、
GOLDやBitcoinの両方が意識される可能性があります。
ただし、
Bitcoinの方が圧倒的にボラティリティは高い。
同じ「法定通貨へのヘッジ」という物語でも、まったく同じ資産ではありません。
Bitcoinの上昇相場を否定する条件
強気材料ばかりを見ると、判断を誤ります。
そこで、逆に何が起きたら、「今回の上昇は失敗した」と考えるべきなのか。
次のポイントを見ます。
① 50週移動平均線を再び割る
最も分かりやすいです。
せっかく45週間ぶりに突破した50週移動平均線を、
再び週足で割る。
しかも、
その後も戻せない。これは、かなり警戒します。
② ETFが継続的な流出へ転じる
数日の流出は、問題ではありません。
しかし、
- 1週間
- 2週間
- 1か月
と、ETFから資金が抜け続ける。その状態で価格も下落する。
これは、機関投資家需要の弱まりを示す可能性があります。
③ 米国実質金利がさらに上昇
Bitcoinの競争相手は、他の暗号資産だけではありません。
5%の米国債、現金、マネーマーケットファンド。も競争相手です。
金利がさらに上昇すれば、Bitcoinのような無利息資産には逆風です。
④ ドル高が加速
DXYが大きく上昇し、
世界的にドル流動性が引き締まる。
これも、Bitcoinには基本的に悪材料です。
⑤ 上昇がレバレッジだけに依存する
先物。
オプション。
高いFunding Rate。
大量のレバレッジロング。
だけで上昇する場合、少しの下落で大量清算が起こります。
強い上昇相場ほど、「誰が買っているのか」を見る必要があります。現物・ETF主導なのか、レバレッジ主導なのかでは、上昇の質が違います。
今後のBitcoinを3つのシナリオで考える

未来は分かりません。
そのため、
私は一つの価格を予想するより、シナリオで考える方がいいと思っています。
強気シナリオ
条件としては、
- 8万1,000ドル以上を維持
- ETF純流入が再加速
- 米10年債利回りが低下
- ドルが軟化
- 8万7,000~8万8,000ドル付近を突破
です。
この場合、
9月の50週移動平均線突破が、本格的なトレンド転換だった可能性が高まります。
2026年の年初来プラス転換を判断する次の大きな水準として、
約8万8,000ドルを挙げています。
ここを月足でも上回れるなら、チャートの見え方はさらに強くなります。
中立シナリオ
現時点ではこれも十分あり得ると思っています。
例えば、7万8,000~8万8,000ドルのレンジ。
ETF資金流入はある。
しかし、高金利が上値を抑える。
この場合、Bitcoinはすぐに最高値を目指すのではなく、数週間から数か月かけて、
50週移動平均線をサポートとして固める可能性があります。
これは、
むしろ悪いことではありません。
急騰して、
レバレッジが積み上がるより、
時間をかけて価格帯を固めた方が、その後の上昇は安定しやすくなります。
弱気シナリオ
次の条件が重なる場合です。
- 7万8,000ドルを週足で割る
- ETFが継続流出
- 米10年債利回りがさらに上昇
- ドル高が加速
- リスク資産全体が下落
この場合、
9月の上抜けは、
フェイクブレイク
だった可能性があります。
さらに下では、7万3,000~7万4,000ドル付近も、重要な確認ポイントになります。
私なら今どうするか
現在のBitcoinは、かなり面白い場所にいると思っています。
しかし、「50週移動平均線を突破したから全力買い」とは考えません。
Bitcoinは、非常にボラティリティが高いからです。
私なら確認したい順番
① 50週移動平均線の上を維持。
② 8万1,000ドル付近をサポートへ転換。
③ ETFへの資金流入継続。
④ 米国金利・ドルがBitcoinの逆風になっていないか。
この順で見ます。
新規で買うなら時間分散
Bitcoinは、短期間で20~30%動いても、まったく珍しくありません。
そのため、例えば100万円投資したいとしても、いきなり100万円すべてを入れるより、
- 25万円×4回
- 毎月一定額
- 重要サポートへの下落時に追加
- 通常積立+大幅下落時だけスポット
といった方法の方が、
心理的には続けやすいと思っています。
Bitcoinでは「絶対に底値で買う」ことより、「大きく下がっても投資を続けられるサイズで持つ」ことの方が重要です。
今から追いかける必要もない
7月安値から、すでに約40%上昇しているという理由で大量購入する必要もありません。
Bitcoinは、上昇トレンドの途中でも、10%、20%と普通に調整します。
今後、
8万1,000ドル付近。
50週移動平均線。
そうした水準まで戻ったとき、
反発できるかを見る。
まとめ|「上昇相場に入ったか」より、上抜け後を確認する
2026年9月。
Bitcoinは、非常に重要な変化を見せました。45週間ぶりに50週移動平均線を週足終値で上抜けた。
これは、過去のBitcoinサイクルから考えても、
無視できないシグナルです。
さらに、9月後半には、米国現物Bitcoin ETFへ約24億ドルの資金が流入しました。
テクニカル、ETF需給。
この2つは、
明らかに改善しています。
一方で、
- 米10年債利回り5%超。
- ドル高。
- 追加利上げリスク。
という逆風もあります。
つまり、現在のBitcoinは、
「完全に強気」でも「まだ弱気」でもない。
長期トレンドが強気方向へ転換し始めた可能性を確認する局面だと考えています。
今後見るべきポイントは、
- 8万1,000ドルを維持できるか
- 50週移動平均線がサポートになるか
- ETF純流入が再加速するか
- 米金利が低下するか
- ドル高が止まるか
- 8万8,000ドル付近を突破できるか
です。
今回の50週移動平均線突破で重要なのは、「Bitcoinが上がったこと」ではありません。約1年間続いた長期下降トレンドの境界線を越え、今度はその境界線を下値支持へ変えられる可能性が出てきたことです。
今すぐ最高値更新を予想するより、
次の下落を見たい。
8万1,000ドル。
7万8,000ドル。
その付近まで押したとき、買いが入るのか。
そこで耐えるなら、今回の動きは、単なるリバウンドではなく、
新しい上昇相場の入口だったと言える可能性が、
さらに高まると思っています。
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