2026年前半、AI関連市場は歴史的とも言える上昇を見せました。
特に強かったのは半導体関連です。
- SOX指数:+63.67%
- SMT日本株式モメンタム:+47.93%
- SMT米国株式モメンタム:+44.76%
一方で、AI関連の集中投資ファンドとして注目されるFANG+は +12.29% にとどまりました。
「AIブームなのに、なぜFANG+は伸び悩んだのか」
疑問に感じた方も多いと思います。私自身も、その理由をかなり考えました。
しかし今回データを整理していく中で見えてきたのは、
「どの指数が強いか」よりも、
「指数がどういう構造を持っているか」の方が重要
ということでした。
本記事では、7本の攻撃型投資信託を比較しながら、
- なぜSOXが圧倒的に強かったのか
- なぜFANG+は出遅れたのか
- NASDAQ100との違い
- モメンタム戦略が機能した理由
を整理していきます。
そのうえで、短期リターンだけでは見えない「長期投資で本当に重要なこと」についても考えていきます。
まず、2026年前半の結果を振り返る

| ファンド | リターン | 種別 | 銘柄数 | 信託報酬 |
|---|---|---|---|---|
| ニッセイSOX指数 | +63.67% | インデックス | 30 | 0.18% |
| SMT 日本株式モメンタム | +47.93% | アクティブ | 約30 | 0.77% |
| SMT 米国株式モメンタム | +44.76% | アクティブ | 約30 | 0.77% |
| iFreePlus Zテック20 | +18.07% | アクティブ | 20 | 0.50% |
| iFreeNEXT NASDAQ100 | +17.90% | インデックス | 100 | 0.50% |
| iFreeNEXT FANG+ | +12.29% | インデックス | 10 | 0.78% |
| Tracers S&P500トップ10 | +10.28% | インデックス | 10 | 0.11% |
今回の相場を一言で表すなら、
「AIインフラ相場」
でした。
AIそのものというより、
- GPU
- 半導体
- メモリ
- データセンター
- AIサーバー
といった、「AIを支える側」が市場を牽引した半年間だったと思います。
SOX指数が圧倒的強さを見せたのは、この“川上産業”を直接取り込めたからです。
FANG+が出遅れた、3つの構造的理由

ここで重要なのは、
「FANG+が悪い指数だった」
という話ではないことです。
実際にはS&P500を上回っており、テクノロジー企業へ集中投資できる点では依然として強力な指数です。
ただ、
「AI相場ならもっと上がると思われていた」
のも事実でした。
では、なぜ伸び悩んだのでしょうか。
その理由は、FANG+特有の“構造”にあります。
① 等ウェイトによる希薄化
FANG+は10銘柄を均等(各10%)に保有する指数です。
今回のAI相場では、MU(Micron)が突出した上昇を見せました。
一方でFANG+は均等ウェイト構造のため、特定銘柄が急騰しても、その恩恵を指数全体へ大きく反映しづらい特徴があります。
時価総額加重型であれば、成長した企業の比率が自然に高まり、勝ち銘柄の影響力も大きくなります。
しかしFANG+は、「勝ち銘柄を一定割合に抑える」
構造です。
これは長期ではリスク分散にも繋がりますが、今回のような「一部の半導体銘柄が突出する相場」では逆風になりました。
② 「失速銘柄」の影響も強く受ける
2026年前半は、AI関連企業が一律で上昇したわけではありませんでした。
実際には、
- MU:突出した上昇
- GOOG / AMZN / NFLX:堅調
- META:横ばい圏
- MSFT:軟調
- PLTR:下落
というように、銘柄ごとの差がかなり大きかった相場です。
FANG+は10銘柄しかないため、1銘柄の影響力が非常に大きくなります。
つまり、
- 勝ち銘柄の恩恵
- 負け銘柄の重し
の両方を強く受ける構造です。
特にMSFTやPLTRなど軟調な銘柄が、指数全体のパフォーマンスを抑える要因になりました。
③ 四半期リバランスが短期では逆風になった
FANG+は定期的にリバランスされます。
長期では非常に優れた仕組みです。
しかし短期では、逆にパフォーマンスを抑えることがあります。
例えば急騰した銘柄は、リバランス時に再び10%へ均等化されます。
つまり、「勝ち銘柄を自動的に一部利確する」
構造でもあるのです。
結果として、今回のような半導体主導相場では、急騰銘柄の上昇をフルに取り込みづらい側面がありました。
なぜSOXとモメンタム戦略は強かったのか

SOXの強み:AIインフラへ広く投資できた
SOX指数は、半導体関連30社へ幅広く投資します。
- NVDA
- AVGO
- MU
だけではなく、
- Marvell
- Lam Research
- On Semiconductor
など、中型半導体株の上昇も取り込めました。
さらに信託報酬は 0.18% と非常に低コスト。
高リターンをほぼそのまま享受できた構造です。
ただし注意点もあります。SOXは、「半導体一点集中」です。
テーマが崩れた時には、大きく下落する可能性があります。
実際、4月急落時には今回比較したファンド群の中でも最大級の下落を記録していました。
モメンタム戦略の強み:上昇トレンドへの自動追従
SMTモメンタムシリーズも非常に強い結果でした。
モメンタム戦略とは、
「上昇している銘柄を選び続ける」
仕組みです。
2026年はAI・半導体関連が非常に強いトレンドを形成しました。
そのため、
- 上昇銘柄へ集中
- 定期的に入れ替え
- 強いテーマを追い続ける
という構造が、今回の相場と非常に噛み合いました。
ただし当然ながら、トレンドが崩れる局面では、大きく崩れやすい
という特徴もあります。
NASDAQ100にも注目している理由

大型IPOを取り込める可能性
最近注目している理由は、NASDAQ100の採用ルールです。
今後、
- AI関連企業
- 宇宙産業
- 次世代半導体
- 新しいプラットフォーム企業
などで大型IPOが登場した場合、NASDAQ100が比較的早期に取り込む可能性があります。
これは長期投資家にとってかなり魅力的です。
将来的に、
- SpaceX
- AI関連大型企業
- 次世代インフラ企業
などが市場へ登場した場合、その恩恵を受けられる可能性があります。
NASDAQ100は「AI一本足打法」ではない
SOXは非常に強力な指数です。
しかし、その分かなり尖っています。
一方NASDAQ100は、
- テック
- クラウド
- EC
- SaaS
- 通信
- 消費関連
なども含みます。
つまり、「未来の成長産業全体」
へ投資している構造です。
これは長期投資ではかなり重要だと思っています。
それでも、私はFANG+を保有し続ける
ここまで読むと、
「SOXやNASDAQ100の方が良いのでは?」
と思う方もいると思います。
実際、2026年前半だけを見ればSOXが圧倒的でした。
しかし私は、それでもFANG+を長期で保有し続けます。
理由はシンプルです。
未来の勝者は、誰にも分からないからです。
市場の主役は、何度も入れ替わる
過去を振り返ると、市場の主役は何度も変わってきました。
- GAFAの時代
- EVの時代
- クラウドの時代
- 半導体の時代
- AIの時代
その中心企業は、常に入れ替わっています。
そして重要なのは、
FANG+自体も、構成銘柄が変化している
という点です。
2026年3月には、
- クラウドストライク除外
- マイクロン採用
が行われました。
つまりFANG+は、
「その時代のテクノロジー主役を取り込み続ける指数」
でもあるのです。
昔のFANG+と、今のFANG+はすでに別物です。
「乗り換え続けること」が正解とは限らない
投資を続けていると、
- 今一番強い商品
- 爆上がりしているテーマ
- SNSで話題の商品
が次々に出てきます。
しかし、そのたびに乗り換え続けることが、本当に正解なのでしょうか。
私はそうは思いません。
もちろん、
- SOX
- モメンタム戦略
- NASDAQ100
それぞれに強みがあります。
しかし、
「今一番強い商品を追うこと」と、
「長期で保有し続けられる商品を持つこと」は別
だと思っています。
長期投資で最も重要なのは、暴落時にも持ち続けられるかです。
そのためには、
「なぜ自分はこれを持つのかを理解し、腹落ちしていることが重要だと思っています。
まとめ
2026年前半は、SOXとモメンタム戦略が圧倒的な強さを見せました。
一方でFANG+は、
- 等ウェイト
- リバランス
- 銘柄集中
という構造が逆風となり、相対的に出遅れました。
しかし、それは「悪い指数」という意味ではありません。
むしろFANG+には、
- 時代の主役交代を取り込む
- 均等ウェイトによる分散
- テクノロジー集中投資
という独自の魅力があります。
NASDAQ100にも、
- 時価総額加重
- 幅広い成長産業への投資
- 大型IPO取り込み期待
という魅力があります。
どれが正解かは、未来にならないと分かりません。
2026年はSOXが主役でした。
しかし、2027年も同じとは限りません。
だからこそ私は、
「次に上がる商品」を探し続けるより、
「自分が信じられる指数」を持ち続けること
の方が重要だと考えています。
FANG+には弱点もあります。
それでも私は、テクノロジーの長期成長を信じ、これからも保有を続けていくつもりです。
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