【連載⑩】平均回帰:「昨日の勝者は明日の敗者」という投資の真実

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連載:「インデックス投資は勝者のゲーム」を読み解く

本連載では、投資の名著『インデックス投資は勝者のゲーム』(ジョン・C・ボーグル著)を章ごとに

徹底解説しながら、実際の投資行動への活かし方を「探偵パンダ流」にご紹介します。

今回は第11章。テーマは「平均回帰(Mean Reversion)」です。


「あのファンドが去年トップだったから今年も買いだ!」――そう思ってしまう気持ちはよくわかります。しかし、それこそが投資家が陥りやすい「幻想」なのです。第11章では、短期的な成績に踊らされず、長期的に“戻ってくる”市場の動き=平均回帰を理解することで、安定したリターンを目指す投資行動が見えてきます。

書籍の解説

平均回帰とは?

平均回帰とは、短期的に突出した成績を出した資産やファンドが、

長期では平均的な成績に戻る傾向のこと。

たとえば、過去に5つ星評価を得たファンドも、

10年後にはその多くが低評価に転落している現実があります。

実際のデータが示す平均回帰の力

  • かつて5つ星だったファンドのうち、10年後もそのまま5つ星だったのはわずか14%。
  • 一方で、36%は最低評価の1つ星まで転落。
  • 過去トップだったファンドの27%が、次の期間では最下位グループに…。

つまり、「今の勝者」は「未来の勝者」ではない可能性が高いということです。

なぜ平均回帰が起こるのか

  1. 成長企業もやがて成熟する
  2. 好調セクターにも反動が来る
  3. 過大評価された資産は調整される
  4. 投資家の過剰な期待が冷める

これらはすべて、マーケットにおける自然なサイクルの一部です。

探偵パンダの実践:リバランスは平均回帰を味方にする

私は、この平均回帰の考えを資産配分とリバランス戦略に活かしています。

  • 絶好調の資産が全体の比率を超えてきたら一部売却。
  • 低迷している資産にはスポット購入で再配分。

これは高値売り・安値買いを自然に実行することにもなり、まさに平均回帰を“利用する”戦略です。

また、米国株(S&P500)をコア(45%)に据えながら、サテライトとして日本株、インド株、金などに分散投資することで、セクターや国の栄枯盛衰にも対応可能にしています。

まとめ

  • 平均回帰とは、勝ちすぎたものは平凡化し、負けすぎたものは反発する傾向。
  • 短期の成績に惑わされず、分散+リバランスで安定的な成果を狙うべき。
  • コア・サテライト戦略を活用すれば、過熱資産にも冷静に対応可能。

次回予告

次回(連載⑪)は「ファンドを選ぶためにアドバイスを求めるか?」。

金融機関の「おすすめ」は本当に信用できるのか?

ボーグル氏が語る“アドバイスの罠”と、探偵パンダ流「情報との付き合い方」に迫ります。

※当ブログの内容は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

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