連載:『投資で一番大切な20の教え 』を深く読む
本連載では、著名投資家ハワード・マークス氏の名著
『投資で一番大切な20の教え』を章ごとに解説しながら、
私の投資スタイルを交えた実践例を紹介していきます。
投資初心者から中級者の方まで、
理性に基づいた投資”のヒントが得られる連載を目指しています。
投資をするうえで、最も大切なのは“いつ買うか・いつ売るか”ではなく、
「どんな状況でも冷静に判断できるか」です。
市場には“波”があります。
それを「市場サイクル」と呼びます。本章では、景気や株価の上がり下がりをどう読み解き、
その波に飲まれないためにはどうすればよいのか。
投資家に求められる視点と心構えを探っていきます。
市場には必ず「波」がある
ハワード・マークス氏は、市場には以下のような“サイクル”があると語ります。
- 景気サイクル
- 金利サイクル
- 投資家心理のサイクル(欲望と恐怖)
そしてこれらのサイクルは、常に行き過ぎと戻りすぎを繰り返すのです。
● サイクルは“感情”によって増幅される
- 市場のピークは、「楽観」「過信」「強欲」が渦巻いているとき
- 市場の底は、「恐怖」「絶望」「投げ売り」が支配しているとき
実際、多くの人が買いたくなるのは、株価が急騰して話題になっているときです。
反対に、暴落しているときには「怖くて動けない」と思ってしまいます。
しかし、優れた投資家はその逆を行くのです。
皆が欲張りなときは恐れ、皆が恐れているとき欲張りになれ
────ウォーレン・バフェットの言葉です
市場の感情に逆らうことで、投資チャンスを見つけることができるという考え方です。
● サイクルのどこにいるかを見極める
「正確な予測」は不可能ですが、
「今がどのあたりか」はある程度の判断が可能です。
このような指標を観察することでヒントが得られます:
- 株価の割高・割安(PER・PBR)
- VIX(恐怖指数)の水準
- CNN Fear & Greed Index
- 米国10年国債利回りの急変動
- ISM製造業指数や失業率などの経済指標
探偵パンダの実践:波にのまれない“景気の四季”感覚を持とう

🐼 初心者の方へ:景気には「春・夏・秋・冬」がある
市場のサイクルを知る一番の近道は、
「景気にも四季がある」と考えることです。
- 春(回復期):景気が底を打ち、徐々に回復傾向。株価も動き出す
- 夏(成長期):企業利益が伸び、株価が上昇し、失業率が下がる
- 秋(過熱期):物価上昇や利上げなどの副作用が出始める
- 冬(不況期):企業業績が悪化、暗いニュースが多く、株価が下落

でも、こうした状況でも政府や中央銀行は黙っていません。
具体的には・・・・
リーマンショック後にはFRBが大規模な金融緩和実施、
2020年のコロナショック時には世界中の政府が給付金や政策支援を打った。(お金のばらまき)
このように政府などの悪いものをずっとそのままにすることなく、何かしらの政策を打ち出します
良い場面でも同様です。
つまり
『良いときがずっと続くことはない。悪いときも永遠には続かない。』
この感覚をもつだけで、投資判断がブレにくくなります。
冷静さを保つためのマイルール(簡略ver)
私が実際に行っているのは以下のような対応です。
- 積立投資:市場の上下に関係なく毎月一定額を投資
- スポット購入:大幅下落時にはルールに基づいて買い増し
- 心理指数の確認:Fear & Greed Indexで市場の熱狂度をチェック
特に「周りが強気すぎる」と感じたら慎重に、
「絶望ムードが漂っている」と感じたら前向きに考えるようにしています。
サイクル対応のポートフォリオ管理
資産クラス | サイクル対応方針 |
---|---|
S&P500 | サイクルに関係なく積立継続 |
FANG+ | 調整時に買い増し、加熱時は静観 |
ゴールド | 景気後退や金融不安時に比率を上げる |
新興国・先進国 | 金利やドル高に注意しながら分散効果を期待 |
日本株 | 割安に放置されている業種を中長期視点で保有 |
まとめ
- 市場には「景気の四季」がある
- 上がる時期・下がる時期のどちらにも理由がある
- 感情ではなく“構造”を見て、落ち着いて行動することが大切
投資で成功する秘訣は、「予測の的中」ではありません。
“自分の感情をどれだけコントロールできるか”にかかっています。
次回予告
次回は第6章「逆張りこそが投資の本質」へ。
誰もが買いたがるときに売り、誰もが不安になるときに買う。
“逆張りの極意”とその実践法について、探偵パンダが深掘りしていきます!
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