
引用;「https://www.kabutore.biz/」
金(ゴールド)の価格上昇が続いています。
年初から約35%上昇し、歴史的高値圏にある今、「金はバブルではないか?」「今買うのは割高では?」と感じる人も多いでしょう。
この記事では、金がなぜ上昇しているのか、今は買い時かどうか、そして今後の見通しについて整理します。
(※2025年10月22日時点で、金は一時的に約5%の下落を記録しました。短期的な調整として注目されています。)
通貨の基本機能と「金」の位置づけ
まず、「通貨とは何か」を整理しましょう。通貨の役割は一般的に3つあります。
- 価値の尺度(モノやサービスの価値を測る)
- 交換手段(取引の媒介)
- 価値の貯蔵(将来の購買力を保つ手段)
しかし近年、円やドルといった不換通貨(フィアット・カレンシー)は、3つ目の「価値の貯蔵」という機能が弱まりつつあります。
理由はシンプルで、各国の債務膨張とインフレ進行が止まらないためです。
著名投資家レイ・ダリオ氏も、
「金は通貨であり、現代の主要通貨(ドル・円など)は負債の裏付けによる信頼構造に依存している」
と述べています。
つまり、不換通貨は“信用”に基づく通貨であり、その信頼が揺らげば価値も揺らぎます。
対して金は、信用リスクのない「実物資産」として、古代から富の保存手段として機能してきました。
今、金は割高か?私の見解

私の考えとしては、「やや過熱気味だが、バブルではない」という立場です。
- 長期トレンドでは金は上昇基調を維持している。
- しかし短期的にはRSI(相対力指数)が80を超え、過去のパターンから見ても調整が入りやすい局面。
- 実際、2025年10月22日には一時的に約5%の下落が発生し、過熱感の冷却が見られました。
つまり、今は「様子見」のタイミングとも言えるでしょう。
短期的な下落はむしろ押し目(再エントリーの機会)となり得ます。
ただし、今後も上昇が続けば「買い場を逃す」可能性もあり、慎重かつ分散的な投資が望まれます。
金が上昇する4つの要因

① 通貨価値の下落
特に米ドルの信頼低下が大きな背景です。
アメリカは2025年度、歳入約5兆ドルに対し歳出約7兆ドルという構造的赤字を抱えています。
国債の利払いが急増し、財政の健全性が疑問視される中で、投資家は「ドル離れ」から「金」へと資金を移しています。
② 普遍的な信頼と有事の資産
金は数千年の歴史を通じて世界中で価値を認められてきました。
国家や人種を超えて「価値あるもの」として信頼され、戦争や金融危機など“不確実性の時代”において必ず注目される資産です。
③ 各国中央銀行の金購入
ロシア制裁を機に、ドル資産凍結リスクを恐れる国々――とくにBRICS諸国(中国・インド・ブラジルなど)が金を大量購入しています。
ドル依存を避け、自国通貨の裏付けとして金を増やす動きが強まっています。
④ 希少性と供給制限
金は採掘可能量に限界があり、容易に増やせません。
需要が増加すれば価格上昇圧力がかかるというシンプルな需給構造が存在します。
金が下落する可能性のある要因
ただし、逆方向のリスクもきちんと理解しておく必要があります。
① ドル高の回復
もし米国の財政や金利政策への信頼が戻り、ドルが再び強くなると、金への資金流入は減少します。
ただし、現状では長期的にドル安トレンドが続く可能性が高いと見られています。
② 信頼構造の崩壊(理論上の仮説)
金が無限に作れるような技術革新(例:核融合による金生成)や、
社会が「物質」よりも「データ(仮想通貨など)」を信頼する世界になれば、金の価値は相対的に低下します。
しかし、これは数十年以上先の話でしょう。
③ 中央銀行の大量売却

出典:World Gold Councilのデータを基に三菱UFJアセットマネジメント作成(画像を一部加工)
中央銀行は外貨準備の一部として金を保有しています。
政策転換・財政防衛・IMF支援などの理由で「換金売り」を行うと、短期的に価格下落圧力がかかります。
ただし、現時点では各国の買い姿勢が強く、トレンド転換には至っていません。
投資家としての戦略と考え方
金は「守りの資産」であり、投機的に一攫千金を狙う対象ではありません。
むしろ、インフレや通貨価値下落に備える“保険”として保有することが重要です。
レイ・ダリオ氏は、
「ポートフォリオの10〜15%を金(または他のハードアセット)に配分すべき」
と述べています。
私自身も、株式・金・現金・ビットコインを保有しています。金を守りの資産として位置づけており長期的に安定したリターンにつながると考えています。
特に2025年のように金融政策が転換期を迎える年では、金を“守りの柱”として組み込む価値は高いでしょう。今後も金への需要は当面の間高まっていくと思っています。
まとめ:今は「冷静な観察」と「押し目狙い」
- 現在の金価格は短期的に過熱気味だが、長期的には上昇トレンドを維持。
- 10月22日の5%下落は、むしろ過熱感のクールダウンと捉えるべき。
- 通貨価値の低下・地政学リスク・中央銀行の買い支えが金を支える構図は続いている。
- 金投資は「守り」の資産として、ポートフォリオの10〜15%を目安に組み入れるのが現実的。
金で一攫千金を狙うのではなく、「通貨価値の減少に備える」ための堅実な防衛投資として金を位置づけることが大切です。
最新動向
2025年10月22日、国際金価格は一時的に約5%下落。短期的な利益確定売りと中央銀行のポジション調整が要因と見られています。長期トレンドは依然として上昇基調を維持しています。
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