生成AIは世界の注目を集め、株式市場でもAI関連銘柄がリードしています。しかし、企業の多くは導入で成果を出せず、「AIバブルではないか」という声も根強いのが現実です。
本記事では、最新の 『State of AI in Business 2025』レポートに加え、ブラックロックやハワード・マークス氏の見解を紹介しながら、個人投資家がAIとどう向き合うべきかをまとめます。
95%のAI導入は失敗 ― レポートの警鐘
- 企業のAI投資は年間300〜400億ドル規模に達する一方、95%は損益に反映されていない。
- 最大の要因は「学習しないAI」──入力に応答はできても、フィードバックを保持せず改善できない。
- 成功しているのはわずか5%の企業で、彼らは「学習・記憶・文脈適応」を業務に統合している。
👉 投資家は「AI関連」と名乗るだけの企業ではなく、継続的な学習能力を持つ仕組みを導入しているかを見極める必要があります。
市場の評価 ― ブラックロックとマークス氏の視点
ブラックロックの見解(強気)
- テクノロジー株は「バブルではなく、バリュエーションは妥当な範囲」
- ナスダック100の予想PERは25倍、ラッセル成長株指数も過去平均付近。
- AI、半導体、ソフトウェア、発電といった長期テーマが収益で裏付けられている。
- 「夏の調整局面はむしろ買い増しの好機」と提言。
マークス氏の見解(慎重)

- マグニフィセント7は業績に見合った評価(PER33倍は過去のニフティ・フィフティと比べて合理的)。
- しかし、残りの493社を含めたS&P500全体ではPERが22倍に達し、指数全体としては歴史的に割高。
- 関税、インフレ、財政赤字拡大といったマクロリスクが市場の土台を揺るがす可能性あり。
👉 両者の見解を合わせると、AI関連の強い銘柄は妥当な評価だが、指数全体への盲目的投資には警戒が必要、という結論になります。このことからも一般の投資家は攻めも守りも行えるバランスを取れた状況にしておくことが望ましいのではないでしょうか。
私の実感 ― AIは「まだ学習してくれない」
実際にAIを日常で使っていても、私が感じるのは「学習してほしいのに覚えてくれない」ということです。
投資判断、健康管理、生活習慣――こうした情報を継続的に反映してほしいのですが、現状は一時的な入力にとどまります。
この限界は、まさにレポートで指摘されている “学習ギャップ” そのものだと思います。
将来的には、
- 自分の健康、金銭面、価値観を把握し、
- 一緒に考え、日常の相談相手になるAIデバイス
が実現するかもしれません。
これは妄想ではなく、「エージェントAI+永続メモリ+オンデバイス処理」の技術が揃えば可能だと思っています。しかし今のレベルでは難しい状況です。
個人投資家はAIとどう向き合うべきか

- AIを投資のサポーターとして使う
- ニュース要約や経済指標の整理に活用。
- ただし「学習しない」制約があるため、自分の投資記録を蓄積してAIに与える工夫が必要。
- 投資対象としてのAIを3層で考える
- インフラ(半導体・クラウド)はすでに収益化済み → 短中期に強い。
- アプリ層(ソフトウェア、サービス)はこれから収益化 → 中期に伸びる。
- 産業変革層(医療・エネルギー)は長期的に成長 → 超長期テーマ。
- 指数全体ではなく、テーマ選別を重視
- マークス氏の指摘通り、S&P500全体は割高。
- だからこそ、「AI・半導体・ソフトウェア」といった収益で裏付けのある分野に注目。
- スポット買い戦略の有効性
- 短期的な調整や季節的な弱さはむしろチャンス。
- 「長期トレンドは強い」という前提に立ち、押し目でのスポット買いは有効な戦略と考えています。
まとめ
AI導入の95%が失敗する理由は「学習しないこと」。
しかし市場では、AI関連テクノロジー株は収益に裏付けられており、バブルではなく妥当な水準にあり
ブラックロックは「押し目買い推奨」、マークス氏も「テック株は妥当」と評価しています。
個人投資家は、AIを「投資補助ツール」として賢く使いながら、テック株の下落局面でスポット買いを検討する戦略が合理的といえます。
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