【連載①】”他人と違う視点”で差をつけろ!『二次的思考』こそ長期投資の最強スキル

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連載:『投資で一番大切な20の教え』を深く読む

本記事では、著名投資家ハワード・マークス氏の名著
『投資で一番大切な20の教え~賢い投資家になるための隠れた常識~』を、
全20章にわたって徹底解説していきます。
各章では章ごと要点をわかりやすく整理するとともに、
私の投資スタイルにどのように活かしていくか実践的に掘り下げていきます。

第1回となる今回は、「二次的思考(Second-Level Thinking)」について。
他人と違う視点を持つことがなぜ重要なのか考えていきましょう。

なぜ「二次的思考」が投資家に必要なのか?

一次的思考 VS. 二次的思考

本書で語られている「二次的思考」とは、

表面的な情報や他人の意見を鵜呑みにせず、

その裏側にある真の意味や市場の反応を深く読み解く”もう一段深い思考”のことです。

例を挙げると・・・

  • 一次的思考:この会社は好業績⇒だから買いだ
  • 二次的思考:好業績はすでに株価に織り込まれていないか?⇒もう割高かもしれない

このように、「何が起きたか」ではなく

「その情報を市場はどう解釈し、どう動くのか」を考えるのが二次的思考です。

なぜ他人と同じ判断では市場に勝てないのか?

ここで注意したいのは、「市場平均=悪」ではないということ。

むしろインデックス投資で市場と同等のリターンをとれるとは極めて優秀で、

多くのプロですらこの平均を上回るのは困難とされています。

どうして二次的思考が必要なの?

その答えは、人間という生き物はある程度の欲を満たすと、

「もう少し良い結果が欲しい」

「少しでもリスクを抑えて増やしたい」など自然と次々と欲が出てくるものです。

その欲を満たすために必要なのが、今回のテーマである「二次的思考」です

  • 相場の転換点で損を回避したい
  • より良いタイミングで資金投入したい
  • 急落時でも冷静な判断をしたい

といった様々な場面では、周囲と同じようなな情報だけでは立ち向かえません。

つまり、他人よりも「もう一段深く考える力」こそが、

より良い投資判断につながる武器になるのです。

「深く考える」投資家になるために

「みんなが買うから」は危ない

投資家はしばしば、ニュースやSNSの空気に流されがちです。

  • 話題だから自分も買っておこう
  • 置いて行かれたくないから飛び乗ろう

しかし、本当に利益が出るの、みんなが買う前に買った人です。

すでに好材料が織り込まれていれば、機体値は下がります。

だからこそ、「そのニュースに市場がどう反応するか?」を常に考える必要があります。

「自分だけの問い」を持つこと

本書では、「他人が何を考えいるか、そして自分がどう違う考えを持っているか」

という他人と異なる視点を持つことが重要と述べられています。

しかし、異なる視点は正しいことが絶対条件です。

たとえば、

「インフレが収まった」というニュースを見たとき

  • 一次的思考:インフレ収束 ⇒ 安心 ⇒ 株価上がりそう!
  • 二次的思考:すでに株価には織り込み済みでは? ⇒ 材料が出尽くし、売られるかも

このように「そのニュースを他人の投資家がどう解釈するのか?」

まで視野に入れると、落ち着いた判断ができるようになるでしょう。

私の投資戦略における「二次的思考」

私の投資の基本方針は長期、分散のインデックス積み立てを軸に

ビットコインなどのリスク資産や

市場が5%下落したときにスポット買いを入れる「5%ルール」を実践しています。

このルールは、ある意味で機械的な判断基準ですが、

その裏で、「なぜ下がったのか?」などを考えるようにしています。

最近で言えは、2025年春に発生した「トランプショック」が挙げられます。

一次的思考(表面的な解釈)

  • トランプ大統領が関税強化を表明 ⇒ 投資家が恐怖 ⇒ 株価急落 ⇒ 売らなきゃ

二次的思考(背景・意図・構造を読む)

  • なぜ今、関税なのか?選挙に向けたパフォーマンスか?
  • 実は、アメリカの膨大な財政赤字を意識した”国内回帰”戦略の一環では?
  • 政策より構内製造業や雇用回復を図ることで長期的な基盤強化を狙っている?
  • 関税政策が金利、ドル、インフレにどのように影響し、中長期的にどのように株価に効いてくるのか?

このように「表価格面的な価格の上下」ではなく、

「なぜ今その政策なのか」「投資家心理はどう動いているのか」を読み解くことで、

冷静な判断と長期視点での戦略を立てることができます。

私自身は、このトランプショックを見て、

市場が短期的に過剰反応している局面こそ、5%ルールによるスポット買いの好機と捉え

買い増し判断に踏みきりました。

こうした判断は、「ニュースをどう判断するか」ではなく

「そのニュースを市場がどう解釈しているか、そして自分はどう解釈するか」という

”思考の階層”を意識することで初めて可能となります。

それこそが、ハワード・マークス氏が言う「二次的思考(Second-Level Thinking)」の

本質だと感じています。

今日からできる!二次的思考の3つの習慣

ニュースをみたら「だから何?」を問う

ただの事実に対して「だから何が起こるのか?」を考える癖をつけましょう。

②自分と反対意見にも目を通す

「自分はこう思う」という時こそ、逆の立場の考えも一度目を通と新しい発見があります。

③少数派を恐れない

「みんながそうしているから安心」という心理に注意。

時には少数派の考えが正しい場合もあります。

探偵パンダのまとめ:二次的思考チェックリスト

次回予告

次回は第2章「市場の効率性(とその限界)」を取り上げます。

市場平均リターンを目指すインデックス投資家にとっても、
“市場が効率的であるとはどういうことか?”を知ることは極めて重要です。

ぜひお楽しみに!

 
 

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