【連載⑤】配当は味方か?──「再投資」と「低コスト」が鍵を握る真の友好関係

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連載:「インデックス投資は勝者のゲーム」を読み解く

本連載では、ジョン・C・ボーグル氏による名著『インデックス投資は勝者のゲーム』を

章ごとに読み解き、探偵パンダが自身の実践と照らし合わせながらわかりやすく解説していきます。

今回は「配当」の本質と、見落としがちな“コストの罠”に迫ります。


「配当は投資家の最良の友」──

一見すると心強い言葉です。

第6章では、株式リターンの重要な構成要素である配当について、

ボーグル氏が「友と見せかけて搾取される存在になりかねない」と警鐘を鳴らします。

真の味方にするには、コスト管理と再投資がカギとなるのです。

書籍の解説

配当は「再投資」してこそ威力を発揮する

配当は長期投資における収益の柱の一つです。

S&P500などの過去の株式市場において、配当の再投資を含めたリターンは

実にリターン全体の30~40%を占めるとも言われます。

しかし、配当を活かしきるには再投資と低コストが前提条件です。

受け取った配当をそのまま使ってしまえば、複利効果は生まれません。

高コストファンドが「配当を奪う」構造

ボーグル氏が問題視するのは、配当がファンドの運用コストによって目減りしてしまう点です。

例えば、配当利回りが年2%の株式市場において、

信託報酬が年1%の高コストファンドを選んでしまうと、その半分が手数料に消える計算になります。

さらに、頻繁な乗り換えや不要な売買を重ねることで

税金やスプレッドも発生し、投資家の実質利回りはさらに下がっていきます。

世界で進む“株主還元”と再投資の重要性

2023年には、世界の企業が支払った配当金は過去最高の1.66兆ドルに達しました。

日本でも東証プライム上場企業の配当総額が記録更新を続けています。

これだけの資金が配当として市場に戻ってきている今こそ、

その恩恵を最大化する仕組み=再投資+低コスト戦略が不可欠です。

探偵パンダの実践:配当は“燃料”、ムダなく再投資で最大化

私の運用方針では、配当を手元で受け取らずに自動で再投資する「インデックスファンド」をメインに活用しています。

その理由は2つ:

  • 税金を繰り延べでき、資産を複利で膨らませやすい
  • 売買せずに配当を買い付けに回すため、手数料ゼロで再投資できる

加えて、日本国内で購入できるインデックスファンドの多くは再投資型であり、配当金がそのままファンド内で再投資される仕組みになっています。そのため、個人投資家が配当金の受け取りや再投資を特別に意識する必要はあまりありません。

とはいえ、投資信託の信託報酬が高ければ、その“見えないコスト”によって再投資される配当も目減りすることになります。だからこそ、信託報酬の低さにこだわることが長期で大きな差につながるのです。

また、スポット買いには5%ルールを適用。下落時に追加投資すれば、より多くの口数を取得でき、将来の配当額も効率的に増加します。

まとめ

配当は投資家の味方になり得ます。

ただし、手数料に奪われたり、放置していては真価を発揮しません

再投資で複利の威力を活かしつつ、低コストファンドを活用することで、

配当という“資産成長の燃料”を最大限に活かしましょう。

※当ブログの内容は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

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