連載:「インデックス投資は勝者のゲーム」を読み解く
市場に勝つのではなく、市場に居続けることがインデックス投資の本質。
だが、ほとんどの投資家は「勝者のゲーム」を自ら“敗者のゲーム”にしてしまう。
その犯人は、感情ではなく“コスト”かもしれません。
あなたのリターンを奪う「静かな敵」とは?
「インデックス投資なら誰でも平均リターンを得られる」──
これは確かに真実ですが、現実の投資家の多くは平均にさえ届いていません。
その理由は明白です。信託報酬・売買手数料・税金といった
“コスト”が静かにリターンを蝕んでいるのです。
今回は第4章・第5章をまとめて、ボーグル氏が繰り返し訴えた
「コストこそが投資成果を分ける最大の要因」である理由を詳しく読み解きます。
書籍の解説:コストが投資家を“敗者”に変える仕組み

市場平均に勝てない理由は「コスト負け」
市場に連動するだけでよいはずのインデックス投資で、なぜ多くの人が失敗するのか?
ボーグル氏の答えは「コストという冷徹な数学」でした。
- 市場のリターンが年7%
- 高コストファンド:信託報酬・手数料で年2%消失 → 実質リターンは5%
- 低コストインデックス:年0.2%のコスト → 実質リターンは6.8%
この「わずか1.8%の差」が30年後には約2800万円の差に膨れ上がります(元本1,000万円で計算)。
⏳ 時間はコストにとって最大の敵
小さな差が複利で膨れ上がる──これが「勝者のゲーム」の現実です。
コストを制する者が長期投資を制す
ボーグル氏は明言します。
「株式投資の最大の敵は、経費と感情である」
- 感情はコントロール困難。
- しかしコストは自分で選べる。
つまり、投資において“確実に勝てる行動”はコストを抑えることなのです。
今どきの低コスト投信の選び方
現在、日本でも優秀な低コストの投資信託が充実しています。
ファンド名 | 信託報酬(年率) | 特徴 |
---|---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 約0.0814% | 長期積立の定番 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | 約0.05775% | 全世界に分散 |
探偵パンダの実践:コストにこだわる投資術

私は、インデックス投資を“複利の力を味方にする”長期ゲームだと捉えています。
その勝率を上げる最大の戦略が、「コストを限りなくゼロに近づけること」です。
- 運用ファンドは信託報酬0.1%前後の低コスト投資信託を中心に構成。
- 売買は最小限。積立以外は基本何もしない。
- 高コストのアクティブファンドは基本保有せず。
これにより、市場の平均リターンを最大限、自分の資産として受け取る体制が整っています。
まとめ:コストを意識すれば、あなたも“勝者”になれる
✔ インデックス投資における失敗の多くは「高コスト」が原因
✔ 信託報酬・売買手数料・税金など、すべてのコストは複利の敵
✔ 手数料を抑えることこそが、個人投資家が唯一コントロールできる“勝利条件”
「小さなコスト差は、やがて資産の大差になる」
次回予告
次回は【第6章】「インデックスファンドが勝つメカニズム」に迫ります。
“なぜこれほどシンプルな手法がプロに勝てるのか?”
──その秘密を徹底解説します。お楽しみに!
※当ブログの内容は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
免責事項についてはこちらをご覧ください → [免責事項]
コメント