これからのアメリカ株──市場の真価が試されるとき
米国株式市場は今、静かな期待と不安の間で揺れている。
短期的には、まだ上昇余地があるかもしれない。
企業決算は堅調で、特にテック大手が市場を支えている。
また、利下げ観測が市場のセンチメントを下支えしている。
だが、中期的な視点で見ると、別の景色が広がっているように思える。
短期上昇の理由──企業決算と楽観期待
S&P500企業の決算報告も始まり、第一四半期決算はそこまで悪くない結果を報告している。
Google(Alphabet)など、AI活用を推進する企業も堅調だ。
利下げ期待も市場の楽観を後押ししている。
景気減速の兆しがあるにもかかわらず、
「FRBが利下げに動けば、株高が続く」という読みが支配的だ。
このため、超短期的には「もう少し上がる」可能性が高いと見ている。
中期的なリスク──スタグフレーションとバリュエーション
しかし、景気減速とインフレ高止まりという組み合わせ、 いわゆる“スタグフレーション”リスクは依然として存在する。
さらに、S&P500のPER(株価収益率)は20倍を超えており、
バリュエーション的にも割高感が意識されやすい局面だ。
このタイミングで外部ショック──たとえば関税再発動や地政学リスク──が起これば、 市場は一気に調整局面へ入る可能性がある。
「短期楽観、中期警戒」──これが、今の私の基本シナリオだ。
超長期での強さ──アメリカの底力
それでも、20~30年単位の超長期で見れば、 私はアメリカ経済、そしてアメリカ企業の競争力を信じている。
- 世界的なイノベーションの中心地
- 資本市場の厚みと柔軟性
- 移民を受け入れる人口増加構造(トランプ政権によりやや怪しいが・・・)
これらは簡単には崩れない強みだ。
超長期投資家としては、アメリカ株をポートフォリオのコアに据える考えは、
依然として妥当だと私は思う。
個人投資家としての対応策
読めない未来に備えるには、ルールを持つしかない。 私は次のように考えている。
- S&P500が一定水準(例:過去最高値更新、+20~30%利益達成など)に達したら、一部利確を検討する
- その資金を、より割安なアセットや他地域への分散投資に回す
- ただし、完全撤退ではなく、”核”としてのS&P500保有は維持する
短期楽観、中期警戒、超長期強気。 これが、今の私の市場に対する基本スタンスだ。
※この記事は、探偵パンダによる“ひとつの仮説”にすぎません。投資の正解は誰にもわかりません。一緒に「考える」時間を楽しんでいただければ嬉しいです。
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