連載:『インデックス投資は勝者のゲーム』を読み解く
本連載では、ジョン・C・ボーグル氏の名著『インデックス投資は勝者のゲーム』を
章ごとに深く掘り下げ、投資初心者から中級者までが実践に役立てられる内容を解説していきます。
探偵パンダならではの視点で、長期投資のヒントをお届けします。
「年平均10%リターンを期待していたのに、全然届かない…」
そんな声が聞こえてくる今。
第9章では、「過去のような高リターンはもはや期待すべきではない」という
現実的な前提が語られます。
楽観よりも堅実。未来の計画を立てるなら、今こそ“控えめな期待値”を持つべき時かもしれません。
書籍の解説

高リターンの時代は過ぎた
ボーグル氏は、過去20世紀に見られたような年率10%超のリターンが、
21世紀以降も続くと考えるのは危険だと警鐘を鳴らします。
特に米国株はかつてのような爆発的成長を維持することは難しい時代に突入しています。
リアルな期待値に基づくプランニング
今後の市場リターンは年3〜5%程度に留まる可能性が高いとされ、
こうした前提で資産形成計画を立てることが推奨されます。
年7%増を前提(過去のS&P500の平均リターン)にすると達成できなかった時に
大きな落胆が生じますが、控えめな予測に基づく計画であれば、
多少の変動も柔軟に対応できるのです。
市場環境の変化に対応
2022年には米国株も債券も下落するという歴史的な展開がありました。
伝統的な60:40ポートフォリオでさえマイナスリターンを出したこの年は、
「これまでの常識が通用しない時代」の幕開けともいえるかもしれません。
探偵パンダの実践:堅実シミュレーションで未来を守る

私は現在、年3〜5%を基本とした現実的な成長率を想定して
資産形成シミュレーションを行っています。
例えば、老後資金についても年3%増で達成できる積立額をベースに毎月の投資額を設定。
株式市場の成長を信じる姿勢は変わりませんが、
今後の社会情勢や経済の停滞リスクを考えれば、「楽観ではなく備え」が正解だと確信しています。
まとめ:希望は持ちつつ、地に足つけた計画を
- 今後のリターンは過去より控えめが前提
- 年3〜5%をベースに資産計画を立てよう
- 楽観だけでなく最悪のシナリオも想定しておく
- 支出の見直しや積立額の調整で対応力を高めよう
次回予告
次回【連載⑨】では、長期的な勝者を選択するをテーマにお伝えします。
「長期の勝者」を事前に選び出すことはほぼ不可能であり、下手にアクティブ運用に手を出すくらいなら市場全体に投資できるインデックスファンド一本に絞った方が賢明であるというボーグル氏の訴えを深堀していきます。
※当ブログの内容は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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