連載:「インデックス投資は勝者のゲーム」を読み解く
本連載では、ジョン・C・ボーグル氏の名著『インデックス投資は勝者のゲーム』を章ずつ読み解き
要点と実践方法を「探偵パンダ」視点で解説します。今回は第14章「債券ファンド」です。
「投資=株式」だと思っていませんか?
しかし、資産運用において「守り」を固める債券の役割は見逃せません。
本章では、ポートフォリオの安定装置である債券と、その活用法について深堀りしていきます。
書籍の解説:債券の意義と役割

債券の役割
- 債券は株式よりも価格変動が小さく、資産全体のボラティリティを抑える効果があります。
- リタイア後など資産保全が重要になるフェーズでは、債券の「安定した利息収入」が頼りになります。
- ボーグル氏は「債券もインデックスファンドで低コストに持つべき」と明言し、株式とのバランスを意識したポートフォリオを提案しています。
最新の市場動向と注目ファンド
2022年以降の金利上昇を受けて、債券の再評価が進んでいます。
米国10年国債利回りは一時4%超に達し、債券ファンドの収益期待も高まりました。
この流れの中で、日本国内で購入できるおすすめの債券ファンド・ETFを以下に紹介します:
円建て・投資信託(国内購入可能)
ファンド名 | 特徴 | 信託報酬 | 分配 | 特記事項 |
---|---|---|---|---|
SBI・iシェアーズ・米国総合債券インデックス・ファンド | 為替ヘッジなし、AGGに投資 | 0.0638%(実質0.0938%) | 年1回 | 手軽に米国債券へアクセス |
同 年4回決算型 | 分配重視派向け | 同上 | 年4回 | 安定したインカムを重視したい方向け |
米ドル建て・ETF(米国市場)
ETF名 | 経費率 | 分配頻度 | 純資産規模 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
AGG(iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF) | 0.03% | 月次 | 約1,174億ドル | 最も代表的かつ流動性の高いETF。筆者も購入候補と考えています。 |
BBAG(JPMベータビルダーズ) | 0.02% | 月次 | 約1.2億ドル | 最安コストだが流動性注意。 |
SPAB(SPDR ポートフォリオ) | 0.03% | 月次 | 約86億ドル | 流動性・実績のバランスが良い。 |
探偵パンダの実践:債券は「守り」の準備

私は現在、比較的若くリスク許容度もあるため、債券はまだ保有していません。
ただし、年齢や相場環境が変化すれば、債券の比率を徐々に増やしていくつもりです。
具体的には、将来的に「SBI・iシェアーズ・米国総合債券インデックス」や、米国ETFのAGGを購入候補としています。
AGGは信頼性・流動性・コストすべてに優れ、為替リスクを理解した上での長期投資先として有力です。
ポートフォリオの中に債券を加えることで、株式下落時のショックを和らげ、心理的にも投資を継続しやすくなります。
初心者へのアドバイス:債券を上手に取り入れるには?
- 年齢=債券比率の古典ルールを目安に、自分のリスク許容度で調整
- 為替リスクが気になる方は、円建ての国内投資信託を選びましょう
- 分配を重視するなら「年4回決算型」などインカム重視型ファンドも検討
- ドル建てETFはAGG・BBAG・SPABなどが有力候補(為替に注意)
- 債券比率は一度決めたら終わりでなく、定期的な見直しが必要です
まとめ
債券はリターンでは株に劣るかもしれませんが、
資産運用において「守りの要」として極めて重要な存在です。
本章が教えてくれるのは、「債券を侮るな」ということ。
ポートフォリオのリスク分散と精神的安定のためにも、自分の状況に合った債券の組み込みを検討してみてください。
🔮 次回予告
次回は第15章「ETF」──流動性・コスト・戦略、インデックス運用との違いを徹底解説!
※当ブログの内容は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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