連載:『投資で一番大切な20の教え ~賢い投資家になるための隠れた常識~』を深く読む
本記事では、ハワード・マークス氏の名著
『投資で一番大切な20の教え』を章ごとに読み解き、
私の長期・積立投資スタイルに沿って、
実践可能な投資行動指針に落とし込むことを目指しています。
今回のテーマは「無知を認めることの大切さ」。
謙虚に自分の限界を知ることが、長期投資を成功へ導くカギになります。
投資の世界で最も危険なことのひとつ。
それは「自分はすべてを理解している」と思い込むことです。
本章でマークス氏が伝えるのは、
“自分が何を知らないか”を理解し、それを前提に投資戦略を組み立てるという、
一見消極的でありながら、実は最も強力な投資哲学です。
書籍の解説:「無知を知る」という知性

市場は予測不能である
マークス氏は、
未来を正確に読むことは、どんな天才にも不可能であると述べています。
政治、経済、テクノロジー、地政学──
あらゆる要素が複雑に絡み合う市場において、
「今後どうなるか」を断言するのは傲慢であり、危険でもあるのです。
謙虚さが、リスク管理と学びにつながる
「自分はすべてを知っている」という思い込みは、
過信とリスクの過小評価を招きます。
一方で「自分には限界がある」「わからないことも多い」と認められれば、
- 無理に相場を予測しようとしない
- 分散投資や時間分散といったリスク緩和策を取る
- 継続的に学び、改善していこうとする姿勢が身につく
つまり、「無知を認めること」は最良の防御であり、成長の入口でもあるのです。
探偵パンダの実践:無知と向き合う、2つのスタンス

① 積立投資=「わからない未来」に立ち向かう最適解
私が実践している長期・積立投資こそ、
「未来は読めない」という前提に立った投資戦略です。
- どの月に相場が上がるかは誰にもわからない
- どの資産クラスが短期的に好調かも予測は難しい
だからこそ、毎月決まった金額をコツコツ投資し続けることで、
時間分散のメリットを最大限に活かしています。
「自分の予測には限界がある」と認めた上での、
もっとも現実的で効果的なアプローチだと思っています。
② 情報収集も「誰から学ぶか」で差がつく
近年は、YouTubeやSNSを通じて誰でも手軽に投資情報を得られるようになりました。
ただし、それらの中には「有益な情報」もあれば「信ぴょう性に乏しい情報」もあります。
だからこそ、“誰から学ぶか”を選ぶことが非常に大切です。
私自身は、アメリカのマクロ経済に関して特に関心があり、
レイ・ダリオ氏の発信しているコンテンツなどを定期的にチェックしています。
- なぜ金利が動くのか
- 米国経済の循環とは何か
- 世界の資本主義構造の中で日本や新興国はどう位置づけられるのか
こうした大局的な理解を深めることは、投資判断の土台になりますし、
何より「自分の無知」を自覚させてくれる良い機会にもなっています。
「わからない」を恐れないことが、投資の自信につながる
投資の世界では、「確信を持って判断したい」と思うのが人情です。
ですが、確信を得るためには「すべてを理解していなければいけない」と考える必要はありません。
むしろ、「わからないからこそ、慎重に進む」「わからないからこそ、学び続ける」
そんな姿勢が、長期で投資を続けるための自信と安定感につながるのだと感じています。
まとめ
- マーケットは複雑で未来は読めない
- 「自分にはわからないことが多い」と認めるのが真の知性
- 積立投資、記録、学びを通じて「無知と向き合う習慣」が大切
次回予告
次回は第11章「今どこにいるのかを感じ取る」。
マーケット全体の「現在地」を読み解く力とは?
投資家が迷わないために身につけるべき視点について考えていきます。
※当ブログの内容は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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