一括投資と積み立て投資、どちらが良いのかは投資の世界で議論が尽きません。
しかし、これら二つの手法を融合し、シンプルながら高い効果を持つのが『5%ルール投資法』です。
このルールに従うだけで、市場の変動に惑わされず、効率的に資産を増やせる方法を今回ご紹介します。
5%ルール投資法とは?
一括投資と積み立て投資の課題を解決する方法
一般的に、投資スタイルには以下の二つがあります。
- 一括投資
- 株価が割安のときに大きな金額をまとめて投資し、高値で売却することで最大のリターンを目指す方法。
- メリット:市場成長時に高い利益が期待できる。
- デメリット:多額の資金が必要で、下落局面では精神的ストレスが大きい。
- 積み立て投資
- 毎月一定額をコツコツと投資する方法で、ドルコスト平均法を活用する手法。
- メリット:資金が少なくても始めやすく、安定的な運用が可能。
- デメリット:同じ金額を長期で運用した場合、一括投資に比べてリターンが劣る可能性がある。
このように、どちらの方法にも一長一短があります。
「5%ルール投資法」は、この二つの方法の中間に位置する投資法です。
具体的には、S&P500指数が週単位で5%以上下落した場合に、一括投資を行うというシンプルなルールで運用します。
なぜ「5%」なのか?
「5%」という数字には実績に裏付けられた根拠があります。
2000年から2023年のデータを基に、各下落幅での投資効果を分析した結果、5%の下落を基準とするのが最も効率的でした。
- 2000年~2023年におけるシグナル点灯回数
- 3%の下落: 100回点灯
- 4%の下落: 61回点灯
- 5%の下落: 30回点灯
3%や4%基準では点灯回数が増えすぎ、頻繁な投資で負担が大きくなる一方で、5%では30回程度と、投資の実行が現実的な回数に収まります。
また、回数が増えれば増えるほど利益率が下がる傾向にあり、過去データでも次のような結果となりました
- 2018年~2023年の利益率
- 3%点灯基準:82%
- 4%点灯基準:89%
- 5%点灯基準:105%
このデータからもわかるように、「5%」という基準値が、実現可能な投資頻度と最適なリターンのバランスを両立しています。
具体的な5%ルールの実践方法
以下の手順に従って、5%ルールを実践してみましょう。
1. 毎月の積立金額を設定する
まずは、毎月無理なく続けられる積立金額を決めます。
ポイント: 投資金額は「万が一、投資金額が半分になっても生活に影響を与えない額」を目安に設定することが重要です。
2. 5%シグナルの点灯時に投入する金額を決める
基本的に1年分の積立金額を目安とします。
例えば、毎月3万円を積み立てている場合、年間36万円を一括投資金額としてください。資金に余裕がない場合は、その半額や3分の1などに調整してもOKです。
大切なことは自分が安心して継続できる金額を設定しましょう。
3. 投資対象を選ぶ
おすすめは、S&P500に連動する低コストの投資信託です。具体的には、次の商品が人気です:
- 三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 信託報酬が低く、長期保有に適しています。
4. 週末にシグナル点灯をチェックする
毎週金曜日の終値を確認し、その週の値動きが5%以上下落している場合、設定した金額を一括投資します。
これをルールとして守ることで、市場の心理的影響を受けずに投資を続けることが可能です。
感情に左右されない投資を目指そう
投資で成功するためには「安く買い、高く売る」というシンプルな原則を守ることが必要です。しかし、多くの人は感情に左右され、相場の変動に振り回されがちです。
「5%ルール投資法」は、相場の動きに従うのではなく、自分の投資ルールを遵守することで、高いリターンを実現する手法です。特に投資初心者にとっては、これ以上にシンプルで効果的な方法はありません。
まずは毎月の投資金額を設定し、少額からスタートしてみましょう。
そして、週末にシグナル点灯を確認する習慣をつけて、5%ルールを実践してみてください。シンプルなルールに基づいた投資を続けることで、資産1億円という目標に一歩ずつ近づけるはずです。
「今回ご紹介した『5%ルール投資法』の基本的な考え方はシンプルですが、その背景には膨大なデータ分析や緻密な実践方法があります。
さらに詳しく知りたい方は、著者『投資塾ゆう』氏の書籍『知識も時間もないですが、新NISAでほったらかし投資よりお金を増やしたいです』を手に取ることをおすすめします。
本書では、より具体的な実践手法や投資結果の詳しいデータが豊富に掲載されており、読者の投資の理解をさらに深めることができます。
また、著者はYouTubeでも5%ルールの解説を行っています。
視覚的に理解を深めたい方はぜひYouTube動画もチェックしてみてください。本と動画を併用することで、さらに投資スキルを高める助けになるはずです。
コメント