YouTube動画再生回数1500万回以上の雨穴さんによる待望の第2弾!!フリーライターの筆者と設計士・栗原のコンビが、再び不可解な間取りの謎に挑みます。
あらすじ
中部地方に建つ11の奇妙な家の間取り図。一見何のかかわりもない家の図面から一つのつながりが浮かび上がる…
筆者と設計士・栗原の迷??コンビが不可解な間取りの謎を紐解いていく。
あなたは違和感に気づけますか???
書評
「行先のない廊下」、「闇をはぐくむ家」、「林の中の水車小屋」、「ネズミ捕りの家」、「そこにあった事故物件」、「再生の館」、「おじさんの家」、「部屋をつなぐ糸電話」、「殺人現場へ向かう足音」、「逃げられないアパート」、「一度だけ現れた部屋」の11のインタビュー、取材、過去の雑誌等の記事資料を基に話が展開。最終章ではその資料をもとに栗原さんと著者の推理パートとなっています(栗原の推理)
11の資料から生まれるこの物語は、複雑で多様な伏線が散りばめられています。場所や登場人物が異なるエピソードが絡み合い、読者を引き込む一方で、その多様性から全体の流れを理解するのは難しいものがあります。また伏線の多さゆえに怪しい描写も散見されますが、最終章ではまとめ資料が登場し、謎解きの説明もきめ細やかでした。これにより、物語を読み進める過程での問題はほとんど感じませんでした。
話全体を通しての謎の解明も鮮やかで、数々の謎が1つの線に結びついていく瞬間は非常に感心させられます。また、各資料に関する話は単体でも楽しめ、それぞれが独自の魅力を備えています。話全体としてのテーマがやや重たい「不倫」であるため、読者はその選定に慎重であるべきです。
個人的な意見と感想
まちに待っていた第2弾の間取りミステリー。ストーリー展開を広げるほど、伏線の回収が難しくなってくるものですが、鮮やかに回収してくる点はさすがの一言しか出ません。建。建築業界の闇、不倫、宗教など、異なるテーマを見事に調和させた作品は、現実味を帯びつつも独自の世界観を構築しています。個人的には「林の中の水車小屋」が特に印象的で、異なる時代背景が作品全体に奥行きを与え、独自の不気味な雰囲気を醸し出していました。
総評
変な家2 ~11の間取り図~は、読みながら一緒に推理・考察したい読者にとって、確かなやりがいのある作品となっています。複雑な構成や多岐にわたる伏線が物語を紡ぎ、最後まで引き込まれること間違いありません。謎解きの瞬間は非常に緻密で、それぞれのエピソードが見事に結びついていく様子は読者を感心させます。
変な家2はミステリー小説のファンや謎解きが好きな読者にとって、非常に満足できる一冊となっています。
評価:
終わりに
本作品は推理パートにて一通りの謎は明らかになりましたが、残された謎もあります。(義足を隠した真犯人、闇をはぐくむ家での殺害順番など)この謎に関しては次回ネタバレ記事にて考察していきたいと思います。
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