歴代最高の興行収入を更新し続けている名探偵コナン映画「100万ドルの五稜郭」。
映画公開から2か月が経過しましたが、今回はこの映画の感想と、ノベライズ版の魅力についてお伝えします。
私はコナンの全巻を所有しており、毎年コナン映画を観賞するだけでなく、ノベライズ版の書籍も読んでいるコナンファンです。
ノベライズ版は映画製作と同時進行で作られているため、映画の場面にはない描写などが含まれています。
映画とノベライズ版の両方を楽しむことで、より深く映画を理解することができます
感想・考察
監督・脚本陣について
今回の映画は、監督の永岡智佳と脚本の大倉崇裕のタッグによる作品です。
直近の作品では「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」を手掛けたこのコンビは、前作同様にラブ要素が多めな作品になっているのではないでしょうか。
- 永岡智佳監督は「紺青の拳(フィスト)」が初監督作品で、その映画にも怪盗キッドが登場していた点が注目されます。
- 近年の脚本は、大倉氏と櫻井氏が交互に務めています。2年に1度の頻度で新しい脚本を手がけています。来年は櫻井氏なのでしょうか。
お気に入りの場面
服部平次の告白シーン
服部平次の告白のセリフが印象的でした
なあ、和葉
人にはな、たいがい動機っちゅうもんがある。
人がその人を殺す動機・・・ 人がその夢を目指そうと思った動機・・・
ほんで、人がその人を好きになった動機や
オレは探偵やのに、その理由が説明できへんねん。 カッコ 悪いけど・・・
そのくらい好きで・・・たまらんのや 和葉、お前のことが・・・!!
映画 名探偵コナン100万ドルの五稜郭
原作での工藤新一の告白のセリフも印象深いものです。
オメーは厄介な難事件なんだよう!
余計な感情が入りまくって、たとえオレがホームズでも解くのは無理だろーぜ!
好きな女の心を・・・正確に読み取ることなんてことはな!
平次は「動機」新一は「難事件」と探偵に関するワードを絡めながら告白を行っています。
映画のでの告白の言葉は全て青山先生が考えたそうで、探偵にふさわしい告白だったのではないでしょうか。
映画館で聞いたときは鳥肌が立つ名セリフでした。
しかし、よくよく考えると告白の言葉に「殺人」の文言を入れるのは少し面白さがあります。
ただし、名探偵コナンという作品は作者も言うように「殺人ラブコメ」です。
この告白の言葉には、まさに殺人、ラブ、コメディの3つの要素が盛り込まれているのではないでしょうか。
阿笠博士のクイズシーン
コナン映画の恒例である阿笠博士のクイズも楽しみの一つです。
今回の問題は以下の通りでした。
新撰組の土方歳三が函館で失敗したことは、次のうちどちらか?
- 10両の名刀を買うのにお金が半分足りなかった。
- 函館山に登る途中で下駄の鼻緒が切れた。
クイズ出題中に登場した、白い謎の生き物の動きがとてもユーモラスでした。
映画鑑賞中も笑いをこらえるのに必死でした。
この生き物は北斗市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」で、可愛さよりもむしろ気持ち悪さを売りにしているユニークなキャラクターです。
【プロフィール】
- 名前:ずーしーほっきー
- 性別:男の子
- 年齢:7歳
- 誕生日:2016年3月26日
- 性格:明るく元気で前向き
- 特技:ダンス、歌
- 好きな食べ物:ホッキョクガイ
【名前の由来】
“ずーしー”は北斗市の特産品”ホタテ”の形状と”ほ”を組み合わせた造語。”ほっきー”はホタテの愛称。
【活動】
- 北斗市内のイベントや観光キャンペーンに参加
- 全国のゆるキャライベントにも参加
- 北斗市の魅力をPRするグッズ販売
- 公式HPやSNSで北斗市の情報発信
【その他】
- 2014年ゆるキャラGP10位入賞
- 2017年にVRアバター”ばーちゃるずーしー”誕生
- 北斗市の人気観光スポット”七重浜”にずーしー像設置
最後の黒羽盗一の登場シーン
最後の黒羽盗一の登場シーンは非常に興奮しました。
この場面は2014年公開の「異次元の狙撃手」の最後の赤井秀一の「了解」をオマージュしものと思われす。
赤井秀一と黒羽盗一は同じ声優の池田秀一さんが演じており、
またコナン映画史に残る名場面を作り上げたのではないでしょうか。
映画を通しての感想
今回のコナン映画「100万ドルの五稜郭」はギャグ要素が多めで、名探偵コナンというよりもマジック怪斗よりのテイストとなっていました。(青山先生はマジック怪斗の方が好きとおっしゃっています)
また青山剛昌先生の作品キャラクターも続々登場し、30周年にふさわしい作品になっていたと思います(ただし、知らない人からすると「誰?」と思うキャラクターも多かったでしょう)。
最近のコナン映画はアクション多めの作品が多かったため、今回は久しぶりにミステリー要素が多めの作品になっていました。
1度の映画鑑賞だけでは理解に追いつかない部分もあり、映画インディージョーンズを彷彿とさせるお宝探索ミステリーに仕上がっていました。
歴史、お宝探索、殺人といった要素がうまく組み合わされた作品で、わくわく、どきどきしながら見ることができました。
衝撃的な事実としては以下のことが挙げられます。
- 黒羽盗一の生存
- 黒羽盗一と工藤優作が双子の兄弟
- 黒羽海斗と工藤新一がいとこ
名探偵コナン漫画55巻、アニメ472~473話「工藤新一の冒険」で黒羽盗一と工藤優作が「!」と「?」の記号だけでやり取りした理由も,双子だからこそなのだと納得できまた。
当時原作をみた当時はなぜ、やり取りができているのか理解ができず、ただ推理力だけで行ったものだと思っていましたが、それなりの理由があることがわかり、さすが青山先生です!!
また今回作中の様子からコナンはこのことに何となく気づいているのではないでしょうか。ノベライズ版ではコナンが「たまたまだろ」と答えた後で不敵な笑みを浮かべたと描写されています。
考察
今回の映画では盗一(兄)と優作(弟)は双子の兄弟であることが判明しました。
両親は離婚後、盗一は父親に、優作は母親に引き取られたため苗字が違います。
この2人の両親がいったい何者なのかが大きな疑問として残ります。
1人は一流のマジシャン兼怪盗、もう1人は世界的に評価されるベストセラー作家
両親にも何かしらの秘密があるのではないでしょうか。(特に父親)
名探偵コナンの世界では、もとをたどれば身内での出来事が重大な謎に繋がっていることや血縁関係が重視されがちです。
そのため、今後コナンのおじいさん(優作の父親)が登場してもおかしくありません。
現在連載中の話の中でも、定期的に謎の老人が2人登場しています。
- 酸素マスクをつけた老人
- 鷹の杖を持もち、鷹を飼っている老人(通称”鷹じじい”)
謎の老人の1人にである”鷹じじい”がコナンのおじいさんの可能性もあります。
鷹じじいがコナンのおじいさんである可能性を考えてみましょう。
初登場は漫画103巻。登場シーンは自宅でコナンが写ったスマホ画面を杖で叩き割っています。
2回目の登場では新幹線を貸し切り、公安警察(安室徹)に連絡を取り、コナンの正体を探らせています
このことから、それなりの権力を持つ人物かつ、コナンに対して何らかの恨みを持った人物であると推測されます。
仮に鷹じじいがコナンのおじいさん(つまり優作の父)だとすれば、必然的に黒羽盗一の父親になり、黒羽海斗の祖父にもなります。
初登場が怪盗キッド登場回だったことを考えると、孫(黒羽海斗)が怪盗キッドとして活躍を邪魔する不届きものととらえているのであれば、コナンに対する恨みも説明できます。
しかし、なぜ公安とつながりがあるのかなど、まだ疑問に残る部分も多くあります。
鷹じじいの正体については、大岡家のご隠居の元総理の説や白馬探の祖父である説なども上がっているためまだ謎が残ります。
最後に
次回の映画は長野県警と毛利小五郎が主軸となる、冬の雪山を舞台にしたストーリーとなるそうです。
長野県警には作中に登場する警察官の中でも優秀な人物が多く在籍しています。
彼らの活躍にも期待高まります。
また、映画初登場となる諸伏高明の活躍にも注目です。
2025年の新作映画も楽しみですね。
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