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変な絵 – 奇妙な絵に隠された衝撃の真実 #書評

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書評

9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは?

雨穴氏のミステリー&ホラー傑作が誕生! 絵を手がかりに繰り広げられる予想外の展開に、読者は翻弄されること間違いなし!!

作品紹介

タイトル:[変な絵]

著者: [雨穴]

出版社:双葉社

出版年: [2022/10/23]

あらすじ

あなたも、何かがおかしい9枚の絵の「謎」が解けますか? とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。
いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは?

変な絵 | 双葉社 公式

※ホラー要素が強いため、注意が必要です。

書評

本作の魅力
奇抜な設定9枚の奇妙な絵から物語が展開し衝撃の結末へ
予想外の展開バラバラな短編が1つのストーリーにつながり連作短編へと様変わり
叙述トリック時系列の錯綜、伏線の活用

9枚の絵から広がるストーリー展開、プロットの構成は目を見張るものがある。

4つのエピソードから成り立っている本作品。

それぞれの短編は時系列をバラバラにすることで、読み手に理解しにくい状況を作っている。

しかし最終的には4部構成のバラバラな物語が最後にピタッとはまる構造になっている。

前作の『変な家』よりも本作の方が推理小説らしさが出ており、物語全体を通して叙述トリックを使用しているのが特徴的です。

終盤の伏線回収にはやや粗さが目立つものの、最後の展開はゾッとするものがあり面白い作品となっている。

前作『変な家』のキーマンである栗原さんも登場し、シリーズの継続性を感じさせる見どころもあります。

作品のテーマ

本作品のテーマを一言で言うならば「母親の歪んだ愛」です。母性愛がゆがんだ結果生じた恐ろしい出来事を描いています。過激な描写も多く、ホラー小説としての体裁も保っています。

個人的な意見・感想

著者の雨穴氏の強みは、卓越したプロット立案力にあると感じました。前作の「変な家」、YouTube上での作品を含め、時系列の入れ替え、世界観、個性的なキャラクター、読者を混乱させるトリックは非常に巧みです。

本作は学生時代の栗原さんが登場することから、「変な家」よりも時代背景は前のものになっています。中々奇妙で怖い要素が多い一方で、読み進めるうちに次第に物語に引き込まれていきました。

一つひとつの短編は独立した話のように見えて、実は全てがつながっている構造は見事で、そこに作者の手腕を感じ取れます。しかし本作の中で命を落とした人の数はなかなか多いように感じました。

総評

「変な絵」は奇妙な設定から卓越した構成力で展開する壮大なミステリーホラーです。9枚の絵を手がかりに進むストーリーは、予想を裏切る展開で読者を翻弄します。母性愛がゆがんだ結果生じる恐怖を描き、ホラー色は濃厚です。

そのため、グロテスクで過激な表現が含まれるため注意が必要ですが、緻密な伏線の回収と意外な結末には脱帽すべき作品と言えるでしょう。ミステリー小説とホラー小説の両方の魅力を併せ持つ傑作です。

3.5

合わせて読みたいおすすめの本

・変な家(雨穴 著)
前作にあたる「変な家」シリーズの1作目。本編につながるエピソードも含まれています。
小説「変な家」の魅力をご紹介!!

・変な家2(雨穴 著)
「変な家」の続編作品
雨穴 変な家②~11の間取り図~ 徹底解説

いずれも雨穴氏による不可解な事件と奇妙な家を題材にしたホラーミステリー作品です。「変な絵」と合わせて読むことで、雨穴氏の世界観に魅了されることでしょう。

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