中村あき「好きです、死んでください」
~あらすじ、感想、考察(書評ネタバレなし)~
1. イントロダクション
恋愛リアリティーショー撮影中、人気女優が殺された。なぜ殺されたのか?犯人の目的は??
今回は中村あき先生の「好きです、死んでください」をご紹介。
タイトル: 《好きです、死んでください》
著者: 中村 あき
ジャンル: ミステリー
出版年:2023年9月24日
概要
無人島での恋愛リアリティーショー「クローズド・カップル」の撮影が舞台。様々な業種から集められた出演者が無人島のコテージでの撮影中に事件が発生。人気女優、松浦花火が密室で殺され、島にいたのは出演者とスタッフをあわせて8人のみ。一体誰がどうやって殺したのか?殺人の動機は?そして彼女の死は、新たな惨劇を生み出して―
2. 書評
恋愛リアルティーショーと殺人の異色の組み合わせが魅力的。恋愛リアルティーショーを利用した構成がうまくマッチし進行していきます。
話のテンポ非常によく、第2、第3の殺人もうまく絡みつつ進行していきます。ただし、章ごとに撮影外の世間状況(学校の様子など)が挟まり、大きく2つのプロットで進行していくため、やや読みにくさは感じられる。ただし、のちに伏線として回収されるため、ストリー上重要な役目を担っている。
『好きです死んでください』は異なる要素を組み合わせた斬新なミステリーであり、特に現代社会のテーマに対する鋭い洞察が光る一冊となっています。
3. 意見・感想
恋愛と殺人という異色の組み合わせが興味深いです。恋愛と殺人という言葉をみると相反するもののように感じるが、「人」への思い(愛情、憎悪など)という部分では共通項があることもわかり、意外と相性が良いもであると感じた。最終章の殺人動機においては、現代社会の問題も盛り込まれており、考えさせられる場面もあった。特に若い世代に向けたメッセージがあり、今の時代だからこそ読むべき一冊であると言える。
評価
3.5
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